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土のある暮らし

使われなくなった土壁

石膏ボードにクロスの壁を貼った早く安くの住宅がもてはやされ、日本家屋から土壁が減りました。その為か、化学物質が充満する室内環境を作り上げ、日本人に二人に一人がアレルギー疾患をもつ世の中になりました。

築とは

皆さんが良く目にするであろう、建築の「」の文字。この漢字を分解すると、竹・瓦・土・木になります。これらをすべて使って、身近にある建築資材を総動員して作るものが建築です。木の色、土の色は地元の物なので、一体感が出て街並みが形成されます。

土壁の歴史

土壁は竪穴式住居から始まり、ただ、土を盛っただけでは亀裂が生じる為、繋ぎとしての苆(すさ)を入れることが考え出された。時代は流れ、柱や屋根、床をもった高床式の建物が建てられてくると、外周や間仕切りに、簡単に入手できる植物の葉や表皮で作られていましたが、強風や寒気、さらに火災に弱いので、植物の茎を格子状に編ん下地に、水で練り合わせた団子状の壁土を打ち付けて掌や木片で平たく均す「手打ち」の方法が竹小舞下地の壁のはじまりです。

多機能の土壁

壁土の特性は土に、ただ水と藁苆を混ぜることで出来る壁材です。下地に塗り付け乾燥すれば、割れずに、地震に対する強度もあり、火に強い防火性、外部の音などを遮断する防音性と吸音性と空気中の湿度を吸う吸湿性、湿度・温度調整をする調湿性を併せ持ち、さらには、土は帯電しにくい素材なので、アレルギーの原因となるカビやダニの住処となる「ホコリ」の発生しにくい環境を作ります。このように土壁は機能・性能どれをとっても最高の壁材です。ただ一つ欠点があるとすれば、湿式工法の為工期に時間が掛かります。

発酵土壁

発酵土壁?おそらく建築に携わる方でも聞きなれない言葉だと思います。発酵土とは、粘りの多い赤土に藁を切り込むことにより発酵し、発酵すれば藁から溶け出たリグニンが糊の役割をし、溶かれた藁は髪の毛のように細かくなり、藁とリグニンが土と絡まることにより、土を粘り強く固くするのは、木のある暮らしのページで前述しましたが、それ以外にも発酵土には素晴らしい作用があります。

発酵環境を作り出す発酵土

発酵土を施工すれば、土壁の強度は上がりますが、室内環境までは調べる方は多くありません。室内環境には、「発酵環境」と「腐敗環境」があるらしく、「発酵環境」の空気は物を腐りにくくし、ホコリの発生も抑える効果があり、「腐敗環境」は物が腐りやすくホコリも出やすい環境だということをどこかで目にしていた。発酵土を塗れば室内環境がどう変化するのかどうしても確信を持ちたかったので、自社で実験しました。

左から

発酵土とミカン

セメント入り土とミカン

土とミカン

ミカンのみ

2015年11月8日から、それぞれのビンに性質の違った土を入れて実験しています。数週間後にミカンだけのビンにはカビが生え始めました。その後は、セメント入りの土のみかんが傷み始めます。数年後・・・明らかな変化が。

写真ではわかりづらいかもしれませんが、発酵土とセメント入りの土のミカンには大きく差が生まれました。これが現在の姿です。

4年以上を経過しました。発酵土のミカンは色も良くハリがありますが、セメント入りの土のミカンはハリはなく色は真っ黒です。例えば、発酵土入りミカンのビンが、伝統構法で造られた家の室内環境で、セメント入りの土のミカンのビンが、石膏ボードにクロス貼り、もしくは鉄筋コンクリート造の家と仮定すれば、どちらで生活すれば、良い室内環境で暮らせるかは、火を見るよりも明らかです。

土壁のまとめ

日本建築=伝統建築が、日本の独特な発酵文化を作ってきた。酒蔵に代表される、土蔵は、発酵環境の中では、麹菌が育ちやすい。蔵の中で、味噌や醬油を作り、米などを貯蔵すれば、傷みにくく長持ちするということを 先人たちは、長年の経験で分かっていた。 微生物の悪玉・善玉 腐敗・発酵には物質と環境が大きく影響 しています。近年の住宅は、住まい手の勉強不足と、作り手の利益優先で早く安い合理化された住宅が全国各地に立ち並び、化学物質を含んだ室内環境での生活でアレルギーを持つ方が爆発的に増えました。各自が健康に気を遣い生活すれば、日本の国家予算の半分に迫る医療費の浪費も落とせるし、何より、健康的に暮らすことは「幸せ」への一番の近道です。

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